腰痛でご来院された患者様(20代女性)の症例のご紹介です。
定期的にお体のケアにご来院されている方ですが、今回は左の腿の裏側(ハムストリングス)にいつもはない「張り」を感じました。
患者様に確認したところ、『いつもより少し長く歩いたことはあったが、特に痛み等は感じたことがなかった』との事でした。
仰向きで右の股関節を曲げてみた所、鼠径部のところで「つまり」を感じ、左の股関節に比べて曲がる角度が極端に違っていました。
これにはご本人も自覚がなかったようしたが、右の脚が上がりにくくなっているのを、無意識で左脚でカバー…その結果、左脚がオーバーワークになり筋肉の緊張を生じさせている…という仮説を立て、右の股関節の機能改善から施術を始めました。
股関節を曲げる(屈曲)…という機能を持つ代表的な筋肉に『大腿直筋』という筋肉があります。
太腿の前側にある有名な『大腿四頭筋』という筋肉を構成する筋肉の一つですが、骨盤(下前腸骨棘)と股関節(大腿直筋半回頭)から始まり、膝の下(脛骨粗面)まで付いています。
骨盤についているので、大腿直筋が硬くなると引っ張られて、骨盤は前に傾きます。
骨盤の傾きによって、腰痛が起きる事も多いのですが、今回は股関節(大腿直筋半回頭)の調節をメインに行いました。
『大腿直筋半回頭』の動きが悪くなること(滑走障害)で、鼠径部に痛みが出る方も多いです。
今回の患者様では股関節(鼠径部)に痛みはなかったのですが、曲げた時にいわゆる「つまり感」があったので、調整を行い、一時的ではありますが「つまり感」がなくなり、機能改善につながりました。
今回は股関節の屈曲機能を回復するために、この『大腿直筋反回頭』を調整しましたが、『大腿直筋』は腰椎の2番~4番において支配神経が出ていて(大腿神経)、この筋肉を調整する事で神経的にも腰痛の緩和にも繋がる場合もあります。
当院は常に【解剖学】を基本に、痛みの原因を探りながら、調整を行っております。
お体の事でお悩みの方は、是非一度ご相談下さい。